Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2000: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
1.研究の目的 我々は,細胞膜修復は小胞を介して行われることを証明した(J.Cell Biol.,95,97).また,細胞膜損傷修復とアクチンフィラメントの関係を明らかにした(Faceb J.投稿中)。しかしながら,損傷した細胞内小器官の修復機構、膜修復後の長期の膜動態ついては全く不明である.本研究は,膜損傷修復後の細胞内および細胞膜動態を明らかにすることを目的としている。 2.研究実施と結果 (1)損傷修復によって引き起こされるオートファジー 培養胃粘膜上皮細胞または培養線維芽細胞を蛍光デキストランまたは西洋ワサビペロキシダーゼ(HRP)中で損傷し,その後,経時的に固定し,蛍光顕微鏡および透過型電子顕微鏡で観察した.その結果,蛍光顕微鏡では損傷後6時間で,透過型電子顕微鏡では損傷後30分で,細胞質に蛍光デキストランまたはHRPの顆粒構造が確認された.この顆粒化は,損傷後7日までゆっくりとおこなわれた.さらに超微構造の解析によって,その顆粒は壊れた細胞内小器官を含んでおり,オートファゴゾームと考えられた.また,それらの顆粒内に酸性フォスファターゼ反応がみられ,pHも低かった.これらのことから細胞膜損傷後,細胞はオートファゴゾームを形成し,損傷した細胞内小器官や細胞質を取り除く機構をもつことが考えられた. (2)損傷修復に伴うエンドサイトーシスの膜回収機構 細胞膜損傷後のエンドサイトーシスを観察した.受精膜を除去したウニ受精卵をシリンジ針で損傷し,カルセイン,HRPまたはFM4-64に浸積して,エンドサイトーシスを観察した.その結果,損傷後30分において,明瞭なエンドサイトーシスが観察された.このことは,膜損傷したする際のエクソサイトーシスによって細胞内から足された膜をエンドサイトーシスによって引き戻す反応であることが考えられた. (3)膜損傷修復による粘液分泌 培養胃粘膜上皮細胞を用い膜損傷による粘液分泌を観察した。損傷細胞内の粘液をレクチンで染色し、細胞内粘液の分泌を観察したところ、Ca2+依存性のエクソサイトーシスと思われる粘液分泌が確認された。 3.発表・報告 本研究結果は米国細胞生物学会および解剖学会で報告した.また,本研究途上で発生した結果についても,Jornal of Cell Scienceに報告した.これらの得られた結果をさらに追求し、細胞生物学雑誌に投稿する予定である.
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