Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
マウス精細管上皮周期の形成に対する、アンドロゲン(Leydig細胞)、アンドロゲン受容体(Sertoli細胞、精祖細胞)の関与について検討した。 1Leydig細胞におけるステロイド代謝酵素(hydroxysteroid dehydrogenase;HSD)活性を酵素組織化学的に半定量的に検討したところ,間質Leydig細胞塊の酵素活性(17β HSD及び11β HSD)が,周囲に隣接する精細管のstageに依存して変動していた。Leydig細胞より分泌されるテストステロン量が周囲の精細管上皮周期と関連して変動する可能性が示唆された。 2Sertoli細胞,精祖細胞および筋様細胞におけるアンドロゲン受容体蛋白及びmRNAの発現を検討した。精祖細胞とSertoli細胞のアンドロゲン受容体蛋白の発現を,共焦点レーザ顕微鏡法,画像解析法を用いて数値化したところ,精細管上皮周期に依存して発現レベルが変動していた。 1、2から,Leydig細胞から分泌されるアンドロゲン量及び精細管内の各細胞のアンドロゲン感受性は,精巣内で一様ではなく,局所的に変動している可能性が示唆された。 3精巣組織切片を用い,隣接する精細管のstage頻度の分布から,精巣内における精細管上皮周期の配列がランダムではなく,特定stageの精細管が隣接して存在することが有意に多いことを見い出した。 4精巣の連続切片を作製、立体再構築し、精上皮周期の3次元的な配列(いわゆるspermatogenic wave)について検討した。マウス精巣の精上皮周期は精細管の折れ曲がりごとに、精上皮周期stageの進行が逆転し、一定の領域でspaermatogenic waveの進行方向が一致する現象が認められた。 これらのことから、アンドロゲンを含む精細管周囲の局所的因子により精上皮周期の進行が調節されていることが強く示唆された。
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