ヒトの寒冷下で発生する運動由来のふるえ増強機序とその修飾経路
Project/Area Number |
11770029
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Environmental physiology (including Physical medicine and Nutritional physiology)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田辺 実 北海道大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (20217110)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | ふるえ / 筋紡錘 / H波 / ヒラメ筋 / 伸張反射 / 運動 / 脊髄 / 皮膚温度受容器 / 寒冷ふるえ / 熱産生量 / 体温調節 |
Research Abstract |
寒冷下の運動時にふるえ増強反応が出現する機序として、自己受容器である筋紡錘の伸張反射が寒冷によりさらに亢進する可能性が示唆された。そこで、本年度は筋紡錘の伸張反射弓のどの経路(γ線維-筋紡錘-Ia線維-脊髄-α運動ニューロン)で寒冷刺激の影響が見られるか検討した。被験者はショートパンツのみを着用し環境温25℃の恒温室に入室し腹臥位で30分間の安静を得た。筋紡錘の伸張反射の動態を示す一つの指標として誘発筋電図法のH波を用いてヒトのヒラメ筋から導出した。寒冷刺激部位として、1)筋紡錘部上の下腿、2)脊髄L5上の腰部、3)脊髄L5レベルへ投射する足底皮膚、の3ヶ所を選択し順不同に外部循環装置により皮膚温が15℃になるまで冷却した。その後皮膚温が安静レベルになるまで加温した。H波の潜時と振幅は、安静時と寒冷負荷時でそれぞれ4回誘発記録し平均値を算出した。寒冷刺激部位の皮膚温は刺激前および他の部位に比し有意に低かった。H波の潜時は筋紡錘部上の下腿への寒冷刺激で有意に延長したが(安静時36.02±0.67msec、寒冷時36.57±0.59msec、p<0.05)、他の部位では有意に変化しなかった。寒冷刺激によるH波の振幅への影響は、安静レベルに対する割合で比較し、筋紡錘部上の下腿で有意に増大したが(157±20%、p<0.05)、他の部位では有意に変化しなかった。以上より、寒冷刺激は筋紡錘レベルで強く影響した。寒冷下の運動時にふるえが増強する機序の一つとして、皮膚温度受容器からの介在ニューロンや脊髄レベルでの温度修飾というより、筋紡錘での反応性が寒冷によりさらに亢進することが関与すると推察される。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)