サーモグラフを用いた個々の汗腺活動の観察と発汗神経支配様式の追究
Project/Area Number |
11770038
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Environmental physiology (including Physical medicine and Nutritional physiology)
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
西山 哲成 愛知医科大学, 医学部, 助手 (40257697)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2000: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 汗腺 / 汗拍出 / サーモグラフ / 温熱性発汗 / 発汗神経活動 / 局所発汗量 / 微小神経電図法 |
Research Abstract |
温熱性発汗部の汗腺は皮膚面のシワの凹部に開口しており,拍出された汗はそのシワの溝を伝わって広がり素早く蒸発するため,その拍出を肉眼的に観察することは難しい。そこで本研究では昨年度に,拡大レンズを装着したサーモグラフを用いて汗拍出時の汗孔部表面温低下(温度色の変化)を観察する方法をほぼ確立させた。今年度は,この手法を用いて大腿部の小範囲(0.12cm^2)における単一汗線の拍出活動を観察し,これらを発汗神経活動の指標となる局所発汗量の記録曲線上にみられる発汗波と関係づけて調べた。4名の被験者について,観察部へのアセチルコリンの皮内投与および下肢温浴による温熱負荷時のサーモグラフの映像をビデオ録画した。ビデオ再生より観察領域内で点状の皮膚温低下が現れた時点を汗拍出のタイミングとした。同時に汗腺観察の近接部で局所発汗量を換気カプセル法により記録した。アセチルコリンの投与後5-15分間中に汗を拍出した汗腺数は各被験者について10,14,15,16個であり,既に報告されている該当部位の汗腺密度に一致した。このうち15個の活動汗腺を示した一例では,軽度の温熱負荷中(約20分間)に9個の汗腺からの拍出が認められ,その活動頻度は汗腺毎に異なった(0.7-3.8回/分)。この様な汗腺間における活動頻度の差は少量発汗のレベル内では発汗波の出現頻度が増すほど大きくなる傾向が認められたので,比較的低レベルの発汗時には活動性の高い汗腺が主体的に汗を拍出していることが示唆された。また発汗神経衝撃の強度の指標となる発汗波の立ち上がりの速度(傾斜)と動員汗腺数との間に直線関係が認められた(P<0.001)。上述の様に本研究で認められた個々の汗腺活動の特徴は精神性発汗部における先行所見にほぼ一致した。これらより本研究方法は温熱性発汗部位における単一汗腺の活動やそれらへの神経支配様式を調べる方法として有用であると考えられた。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)