外界ストレスに応答して細胞周期の進行を制御する分子機構の解析
Project/Area Number |
11770055
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General medical chemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 晃一 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90282615)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 分裂酵母 / 細胞周期 / 姉妹染色分体接着 / DNA複製 / コヒーシン複合体 / Emc1p / Eso1p / 紫外線感受性 / Eso1 / DNAポリメラーゼη / Ctf7 |
Research Abstract |
分裂酵母のeso1^+遺伝子(eso1^+)は、ストレスに応答した増殖制御に重要な役割を果たすspt1^+の標的候補の一つとして見いだされた。昨年度報告したように、Eso1蛋白質(Eso1p)はS期のDNA複製フォークに局在し、合成された姉妹染色分体をその場で繋ぎとめる役割、および鋳型DNA上のチミン二量体が複製を阻害した際にはDNAポリメラーゼ_η活性を用いて障害を乗り越える役割を担うと考えられており、遺伝情報の正確な複製・伝達過程において極めて重要な因子である。今年度はEso1pの機能をより深く理解するために、温度感受性eso1変異株の多コピー抑圧遺伝子として単離したemc1^+(交付申請書のabs1^+から名称変更)の機能解析を進めた。 Emc1pは姉妹染色分体を繋ぐ「糊」の役割を果たすコヒーシン複合体と共沈し、染色体上においても共局在した。またemc1遺伝子破壊株では姉妹染色分体接着が非常に不安定になることから、Emc1pはコヒーシン複合体とともに姉妹染色分体の接着を安定に維持するために働くことが示された。一方、eso1^+の欠損により引き起こされる姉妹染色分体接着不能の表現型が、emc1^+を同時に破壊すると完全に抑圧された。このことはEso1pが機能しないと姉妹染色分体の接着はEmc1pにより阻害されることを意味している。以上の結果から、姉妹染色分体接着はジッパーのような機構で制御されているのではないかと考えている。すなわち「ジッパーの爪(コヒーシン複合体)には突起(Emc1p)が付いていて、金具(Eso1p)の作用により突起が噛み合って結合を安定に保つ。一方、金具が無いと突起が邪魔をしてジッパーが閉まらない。」という考え方である。後者の生物学的意義についてはまだ明らかではないが、染色分体の接着が姉妹間でのみ成立することを保証する機構ではないかと想定している(論文投稿中)。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)