アポトーシス促進因子Baxのチャネル形成ドメインによる新しいアポトーシス誘導経路
Project/Area Number |
11770068
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General medical chemistry
|
Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
石橋 佳朋 日本医大, 助手 (00312067)
|
Project Period (FY) |
1999 – 2000
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
|
Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
|
Keywords | アポトーシス / Bax / Bcl-2ファミリー / カスパーゼ-3 |
Research Abstract |
本研究の目的は、Bax自身による直接的なアポトーシス促進機構を分子レベルで明らかにし、新しいアポトーシス誘導経路を発見することにある。このBaxによる新しいアポトーシス誘導経路は、Bcl-2やBcl-xL、またはsurvivinを発現する癌細胞に積極的にアポトーシスを誘導する場合の癌治療に応用できる可能性を持っている。Bcl-2ファミリーに属するアポトーシス誘導因子Baxは、N端欠失Bax(アミノ酸112-192)(ΔNBax)でもアポトーシスを促進する。チャネル形成ドメインを保持しBcl-2/Bcl-xL結合領域を失っているΔNBax遺伝子を誘導可能なプロモーターの下流に接続し、一過性に発現させるだけでアポトーシス誘導刺激なしにアポトーシスが誘導され、Bcl-xLによりその活性は阻害されなかった。よってΔNBaxによるアポトーシスはBcl-2やBcl-xLを制御することで引き起こされるのではなく、ΔNBax自身のもつ直接的作用であることが示された。またBcl-2ファミリーでアポトーシス促進活性をもつBak,Bad,MtdにおいてΔNBaxに対応する領域でもΔNBaxほどの致死作用は認められず、ΔNBax特異的な作用であることが判明した。 ΔNBaxの発現を誘導した細胞におけるカスパーゼ-3の活性を調べたところ、全長のBaxの発現ではカスパーゼ-3の活性の上昇が認められたが、ΔNBaxではその活性が認められなかった。また、ΔNBaxの発現が誘導された細胞の祖抽出液を用いても同様にカスパーゼ-3の活性の上昇は認められなかった。さらにΔNBaxによるアポトーシスはカスパーゼ-3阻害剤によって阻害されず、シトクロムc細胞質への放出も認められなかった。 以上の結果より、BaxにはBH3領域を介する経路とは別にカスパーゼ-3に依存しないアポトーシス誘導経路の存在が強く示唆された。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)