シャペロン分子カルネキシンによるタンパク質品質管理機構と病態的意義の解明
Project/Area Number |
11770076
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pathological medical chemistry
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
井原 義人 長崎大学, 医学部, 講師 (70263241)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | カルネキシン / シャペロン / 糖タンパク質 / レクチン |
Research Abstract |
カルネキシンは粗面小胞体(ER)に存在するCa2+結合性の分子シャペロンであり、糖タンパク質のフォールディング中間体の正しい組み立てを促進することから、ERでのタンパク質合成の品質管理にとって非常に重要な役割を果たしている。平成12年度は、カルネキシンについてその基質タンパク質認識機構の解析を進めるため、新たなカルネキシンin vitroフォールディングアッセイ系の作成と解析を行った。具体的には、モノグルコシル化糖鎖(Glc1Man9)をもつJack bean α-mannosidaseと、α-mannosidaseからEndoHで糖鎖を除去した基質を作成して、カルネキシンの認識する基質に用いた。これらα-mannosidaseを6M塩酸グアニジンで変性した後、熱処理でタンパク質の凝集を誘導した。精製した可溶化カルネキシンを添加して、その基質の凝集抑制能を測定(Light scattering)することにより、シャペロン作用を評価した。また、α-mannosidaseの変性と再活性化について酵素活性の測定を行い、in vitroアッセイ系にオリゴ糖やATPを加えることにより、シャペロン作用への影響を検討した。解析の結果、以下のことが明かとなった。 1)カルネキシンは糖タンパク質のモノグルコシル化糖鎖を認識するとともに変性したポリペプチド部分をも認識する。 2)カルネキシンは基質タンパク質の熱変性を防ぎ、変性タンパク質の再活性化を助けることにより、in vitroでのシャペロン活性を示す。 3)カルネキシンの基質タンパク質認識において、糖鎖に対する親和性が最も重要である。 4)カルネキシンの基質タンパク質認識機構において、ATPはカルネキシンのシャペロン機能を促進する。 5)カルネキシンの基質タンパク質認識機構において、糖鎖結合部位への糖鎖の結合はカルネキシンのペプチド結合能を抑制する。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)