Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2000: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
奇形症候群Beckwith-Wiedemann症候群(BWS)では、肝芽腫やWilms腫瘍などの胎児性腫瘍の発症を伴い、腫瘍発症と奇形に同一の分子の関与が想定されてきた。本研究では、奇形を伴わない散発性肝芽腫21例について11p15.5の遺伝子群(TSSC5,KvLQT01,KIP2,TH,INS,IGF2,H19)のpolymorphismを利用したloss of heterozygosity(LOH)を検索後、さらにBWSの責任領域であるH19,IGF2,KIP2のインプリンティングの異常について解析を行った。11p15.5LOHが10例(47.6%)。すべてのpolymorphic markerがhomozygosityの症例は8例であった。この8例(38%)はすてH19の発現の低下とpromoterのメチル化の亢進が認められたため、11p15.5のLOHと考え、この範疇に含めた。Retention of heterozygosity(ROH)が3例(14%)にみられた。ROH症例の3例の内1例は、IGF2のloss of imprinting(LOI)とH19のpromoterのメチル化による発現の低下を認めた。LOH症例は、メチル化と両親の血液の解析により母親由来の対立遺伝子の欠失であることが判明したが、真に遺伝子の欠失ではなく、体細胞の組み換えによる父親由来の対立遺伝子の重複であると考えられた。肝芽腫21例中19例(90%)が、IGF2-H19 locusはbipaternal epigenotypeになっていると考えられた。このbipaternal epigenotypeは、BWSで最も胎児性腫瘍の発症率高い染色体異常は、paternal uniparental disomyであること合致している。一方、KIP2の変異は1例も認められなかった。従って、KIP2の腫瘍化への関与は低いと考えられた。胎児性腫瘍の発症にはインプリンティングの異常に基づいた共通の機構の存在が考えられるが、11p15.5のdomain wideな現象ではなく、ICF2-H19 domain specipicな現象と考えられ、腫瘍化へのearly eventと考えられた。
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