Project/Area Number |
11770100
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Human pathology
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
長尾 俊孝 帝京大学, 医学部, 講師 (90276709)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 唾液腺 / 多形腺腫 / 多形腺腫内癌 / p53 / MIB-1 / ras遺伝子 / 発癌 |
Research Abstract |
多形腺腫は、最も多くみられる良性の唾液腺腫瘍であり、最近になってこの腫瘍の発生に深く関与する遺伝子(PLAG1)がクローニングされ注目を集めている。その多形腺腫の1割弱の症例に悪性化(多形腺腫内癌)を来すことが知られている。しかし、多形腺腫内癌における発癌機構の解析は、大腸癌の多段階発癌の解析に比べてかなり立ち遅れているのが現状である。今回我々は、まず多形腺腫内癌の標本を組織学的に検討した。その結果、悪性部分の組織型は、未分化癌、腺癌(唾液導管癌が最も多かった)あるいは筋上皮性癌であることがわかった。さらに、多形腺腫と癌腫との境界部分では、癌細胞は多形腺腫成分と混在して認められ、特に腺癌では多形腺腫の腺管部分を置換するようにして癌細胞が増殖していた。このことから癌細胞は多形腺腫の腺管から発生したであろうことが示唆された。しかし、前癌状態を示唆するような多形腺腫のdysplasiaの像は明らかではなかった。免疫組織化学的に30例の多形腺腫内癌症例において悪性部分は明らかにMIB-1陽性率が高く、約半数の症例では悪性部分にのみp53が陽性であった。つぎに、多形腺腫内癌25症例のHE標本からDNAを抽出し、PCR-direct DNA sequence法によりH-,K-,N-ras遺伝子のcodon12,13および61のpoint mutationの有無を検索した。その結果、検索したいずれの症例においてもras遺伝子の異常を見出し得なかった。今後さらに、β-cateninの異常の有無、多型性マーカーを用いたLOHの検出、p53遺伝子の変異様式についても引き続いて検討していきたいと考えている。
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