Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2000: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
RETプロトオンコジーン(以下RET)はGDNF(グリア細胞株由来神経栄養因子)、NTN等のGDNFファミリーをリガンドとする受容体型チロシンキナーゼをコードし、甲状腺髄様癌、副腎褐色細胞腫を遺伝的に発症する多発性内分泌腫瘍症(MEN)2A型、2B型、家族性甲状腺髄様癌及び大腸腸管神経節が欠損したために生じるヒルシュスプルング症(以下HSCR病)の原因遺伝子であることが明らかになっている。本研究ではHSCR病型変異を有するRET蛋白の不活化する機序を生化学的に解析した。 RETにHSCR病に認められた10種類の変異(E762Q,S765P,S767P,R873Q,F893L,R897Q,E921K,R972G,P973L,M980T)を導入し、神経系細胞SK-N-MCに発現を試みた。10種類のうち9種類のHSCR病型変異に(E762Q,S765P,S767P,R873Q,F893L,R897Q,E921K,R972G,M980T)ついては、RET蛋白の良好な発現を得ることができ、コントロール(cーRET)の同程度であった。1種類(P973L)の変異を有するRET蛋白の発現はほとんど認められなかった。4種類(E762Q,S767P,R972G,M980T)の変異を有するRET蛋白はcーRET蛋白と較べてRETのチロシンリン酸化は1/2から1/3にまで減少した。また、SHC、PLC-γ及びPI-3K等のシグナル伝達機構も中等度障害されていることが明らかにされた。5種類(S765P,R873Q,F893L,R897Q,E921K)の変異を有するRET蛋白はGDNFによってまったく活性化されず、シグナル伝達機構も完全に障害されていた。この5種類の変異は完全なloss-of-function mutationであることが証明された。P973Lの変異を有するRET蛋白の減少は蛋白レベルの減少ではなく、mRNAレベルでの減少に原因があった。以上のことから、HSCR病の変異を有するRET蛋白の不活性化には、少なくとも3種類の機序があることが考えられた。
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