転写因子変異mi/miマウスにおけるグランザイムBの転写障害と細胞傷害活性の低下
Project/Area Number |
11770117
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Experimental pathology
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊藤 彰彦 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (80273647)
|
Project Period (FY) |
1999 – 2000
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Keywords | サブトラクション / 転写因子 / NK細胞 / パーフォリン |
Research Abstract |
突然変異マウスmi/miマウスの責任遺伝子座にはbHLH-Zip型の転写因子MITFがコードされている。mi変異遺伝子座から作られる変異型転写因子mi-MITFは塩基領域の4連続アルギニンのうちの1つが欠失しており、このためDNA結合能や核移行能が障害され転写因子として機能できない。申請者はこれまでにmi/miマウス由来培養マスト細胞において転写が傷害されている遺伝子群の単離をcDNAライブラリーのサブトラクション法により行ってきた。その結果MITFによって転写制御を受ける遺伝子の1つとしてグランザイムBを同定した。グランザイムBは主にnatural killer(NK)細胞、細胞傷害性T細胞の細胞質顆粒内に存在し、これらの細胞が示す細胞傷害活性に必須なセリン・プロテアーゼである。興味あることに、mi/miマウスでは細胞傷害活性の低下が報告されている。その原因としてNK細胞数の減少が考えられていたが、申請者が得た知見はその原因がNK細胞におけるグランザイムB遺伝子の転写障害である可能性を示唆している。 本研究において、mi/miマウスのNK細胞におけるグランザイムB遺伝子の転写障害の有無、細胞傷害活性の低下との関連、及びmi-MITFが転写に及ぼす影響を調べた。mi/miマウスのNK細胞においてグランザイムB遺伝子の転写障害はなかった。その代わりパーフォリン遺伝子の発現レベルが低下していた。パーフォリンはグランザイムBと並んでNK細胞の細胞傷害活性に必須の分子であり、パーフォリンの発現低下がmi/miマウスのNK活性低下の原因と考えられた。発現低下の分子機序は、mi-MITFがパーフォリン遺伝子転写活性化因子の核移行を障害するためであることを示した。
|
Report
(2 results)
Research Products
(12 results)