Project/Area Number |
11770128
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Experimental pathology
|
Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center |
Principal Investigator |
島田 厚良 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 形態学部, 室長 (50311444)
|
Project Period (FY) |
1999 – 2000
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
|
Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
|
Keywords | 老化促進モデルマウス / 脳 / 加齢 / 変性 / 樹状突起 / ミクログリア / 脂質メディエーター / モリス水迷路 / 病理学 / ニューロン / シナプス / 遺伝 |
Research Abstract |
加齢に伴い大脳萎縮性病変が進行する近交系、老化促進モデルマウスSAMP10系(以下P10)と正常老化を示す近交系マウスSAMR1系(以下R1)とを用いて、以下の成果をあげた。 1.前頭前野ニューロンを定量的ゴルジ法によって解析した結果、P10では加齢に伴って先端樹状突起が著明に退縮したが、基底部樹状突起の変化は軽微であった。 2.樹状突起に特異的なMAP2に対する免疫組織化学的染色を行っ結果、老齢P10では、大脳皮質の広い範囲で、MAP2の発現が低下しており、樹状突起の退縮が広範に生じていた。 3.老齢P10マウスでは、ユビキチン化された細胞質内封入体が、主として中型から大型のニューロンに認められた。その分布は内嗅領皮質と扁桃体前部に始まり、海馬・梨状葉皮質から前頭前野・嗅球へと拡がっていた。分布の在り方はヒト脳における神経原線維変化のそれに類似していた。 4.オルテガ法を改良して、ミクログリアとオリゴデンドロサイトを染色した。その結果、P10では加齢に伴い大脳皮質にミクログリアが増加していた。その多くは皮質2/3層にあってニューロンと密着し、ニューロン・ミクログリア間相互作用が生じていた。 5.加齢に伴う脳の退行変性に炎症関連反応が関与している可能性を探るために、脂質メディエーター合成諸酵素に対する免疫組織化学的染色を行った。その結果、ホスホリパーゼA2やロイコトリエンA4水解酵素はニューロンに発現しており、その発現量はP10の加齢に伴って増加していた。 6.モリス水迷路を用いた行動実験を行った結果、P10マウスでは加齢に伴って空間認知学習機能障害が進行していた。その進行はニューロン樹状突起の退縮過程にほぼ一致していた。 7.大脳萎縮に関する一連の変化がいくつの遺伝子によって支配されているかを知るために、P10とR1との交雑F2マウス群をこれまで250匹作出し、現在、集団として老化させている。
|