Project/Area Number |
11770132
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
寄生虫学(含医用動物学)
|
Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
野崎 智義 国立感染症研究所, 寄生動物部・外来寄生動物室, 室長 (60198588)
|
Project Period (FY) |
1999 – 2000
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Keywords | 赤痢アメーバ / システイン / システイン合成酵素 / アンチオキシダント / セリンアセチル転移酵素 |
Research Abstract |
赤痢アメーバは動物に存在しないシステイン合成経路をもつ。システインは赤痢アメーバ細胞内で最高濃度を示すチオール化合物であり、システイン合成経路はグルタチオンを持たない赤痢アメーバにおける抗酸素機構の一部を担っていると考えられている。我々はこれまでシステイン合成酵素、セリンアセチル転移酵素など本経路の主要酵素遺伝子をクローニングし解析してきた。本年度は形態学的に赤痢アメーバと鑑別が不可能で病原性をもたないE.disparからシステイン合成酵素遺伝子をクローニングし、大腸菌組換え酵素を作成して赤痢アメーバの酵素との生化学的比較を行った。赤痢アメーバはEhCS1及びEhCS2の二種類のシステイン合成酵素遺伝子をもつ。一方、E.disparもEdCS1,EdCS2の二種類のシステイン合成酵素をもっていた。EdCS2はEhCS1及びEhCS2と92-93%の同一性を示したのに対し、EdCS1は他の3種の遺伝子・蛋白と有意に異なり、80-83%の同一性を示すに止まった。発生系統樹解析によっても同様にEdCS1が特異的な進化を遂げたことが示唆された。EhCS1,EdCS1,EdCS2を組換え酵素として発現精製したところ、これらの酵素の間で基質に対する親和性が明らかに異なっていた。以上より、赤痢アメーバと非病原性E.disparとの間でシステイン合成経路の主要酵素システイン合成酵素に質的差異があることが明らかとなった。この差異は病原性の有無と関連がある可能性が示唆される。
|