Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2000: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
食道癌において蓄積される形質変化を遺伝子発現変化として検索した結果,以下の癌特異的遺伝子を得た。 1,補体分子complement component 6(C6)及びcomplement component 7(C7)の局所発現の癌特異的低下(Rie Oka et al., European Journal of Cancer, in press) differential display法を用いて,C7遺伝子発現が正常粘膜に豊富に発現しているのに対し癌組織においては高頻度に著明な発現低下があることを見い出した。さらに組織化学的に検討した結果,C7の局所産生は食道上皮のkeratinocyteであり,発癌に伴って発現が低下することが示された。さらに他の補体分子について局所産生を調べた結果,C3,C5分子は正常,癌粘膜両方で豊富な発現が見られるのに対し,C6がC7に伴い減少していた。これらの結果から食道癌においては局所の補体産生が減少し,それが癌の補体活性化の抑制機構に関与する可能性が示唆された。 2,keratin 4(K4)の発現低下(投稿準備中) 非角化性の重層扁平上皮の分化マーカーであるケラチン分子(K4)も同じく癌特異的に発現変化する遺伝子として検出された。この結果は従来の免疫組織化学的研究の報告とよく一致するものである。他のケラチン分子について同時に発現変化を調べた結果,K13が共に低下している一方,基底細胞特異的なK14は逆にup-regulationされていた。 3,高感度differential display法の開発(Rie Oka et al.,Journal of Health Science,2001) 効率よく癌関連遺伝子を得るために従来のdifferential displayに改良を加え,他にもKIAA1160やESTに属する未知遺伝子を得た。
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