Project/Area Number |
11770226
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Legal medicine
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
黒崎 久仁彦 東京医科大学, 医学部, 助教授 (60240701)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | DNA多型 / 検出効率 / 法医学 / PCR / DNAの断片化 / DNA contamination / シリカ抽出 |
Research Abstract |
本年度は法医人類学的試料からのDNA多型検出効率を高めるDNA抽出・精製法についての比較検討を行った。DNAの断片化が進んでいると考えられる試料(陳旧血痕など)および土中より発見された白骨体(古代遺跡出土骨を含む)について、従来報告されている各種の方法(フェノール・クロロホルム抽出、シリカ抽出、その他各社の抽出精製キット)によりDNA抽出・精製を行ったところ、STR等のDNA多型の検出感度が最も高かったのはシリカ抽出であり、特にHoss and Paaboが報告したもの(Nucl.Acids Res.21,3913-14,1993)の成績が最も良好であった。シリカ抽出により得られたDNAは、収量の点ではその他の方法に比べて劣っているケースも見られたが、その場合でも、結果的にDNA多型の検出感度は高くなっていた。この結果は、シリカによる抽出がDNAの断片化が進んでいる試料からのDNA多型検出を行う上で、(特にDNAの精製度という点において)非常に優れた方法であることを示唆しているものと考えられた。なお、シリカ抽出の原理を用いた抽出精製キットにおいても、同様に結果は良好であった。さらに、本研究においてHoss and Paaboの方法について検討したところ、試料の種類によっては(特に古人骨の場合)BSA濃度を変化させることにより、DNA多型の検出感度を2倍以上高められることを確認した。 また本研究では、古人骨などの試料に付着した外来DNAによるcontaminationの防止方法についても検討した。このような試料の場合、DNA抽出操作の前にあらかじめその表面に一定量以上の紫外線を照射しておくことにより、付着していた外来DNAが分解除去された結果、多型検出時に見られた(contaminationに基づく)ダブルピークを解消できることが明らかになった(現在論文投稿中)。
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