エストロゲンによって免疫系細胞に発現誘導される新規遺伝子の検討-全身性エリテマトーデスはなぜ女性に多発するか?-
Project/Area Number |
11770243
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
内科学一般
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
小池 竜司 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (50250220)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2000: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | エストロゲン / GOR / 自己抗原 / HCV / 交差反応性 / MCP-1 / C型肝炎ウィルス / ヒト8番染色体 / 核蛋白 |
Research Abstract |
女性において免疫応答がより強いことや自己免疫疾患の発病頻度が高い事実を踏まえて、代表的女性ホルモンであるエストロゲンが免疫応答に及ぼす影響を、発現誘導される遺伝子を介して理解することを試みた。免疫系細胞株にエストロゲンによって発現誘導されるGORヒトホモログ遺伝子を単離し、その生理的意義、自己抗原性、免疫応答への関与について検討を行った。その結果GORヒトホモログは細胞内では顆粒を形成して核周囲または核内に局在し、安定して発現させることが可能であった。サザン解析によって相同遺伝子は高等哺乳動物には存在することが示唆されたが、鳥類との間では相同性が低いことが予想された。エストロゲン刺激により48時間後をピークに発現が誘導され、5日後には発現が低下していた。組み替えGOR蛋白を抗原に用いた抗体の保有については、従来HCVと交差反応性があるとされていた領域は1塩基置換によってヒトでは翻訳されず、また翻訳領域に対する自己抗体は保有する患者が存在するものの疾患との関連性は見出されず、いわゆる自己抗原としての病原性はほぼ存在しないと結論した。いっぽう組み替えGOR蛋白を強制発現させた細胞株は、炎症性サイトカインの刺激によりケモカインMCP-1の産生誘導が抑制されることが観察され、全体としてエストロゲンやその下流の制御分子は免疫応答を抑制する傾向を有していることが推察された。したがってエストロゲンと免疫応答の強弱や自己免疫疾患との関連においては、その濃度変化や他のステロイドホルモンの関与などを含めて多角的に考えることが必要と予想され、今後多数の遺伝子を同時に観察するマイクロアレイシステムなどを導入した検討などの必要性を認識した。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)