Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2000: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1999: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Research Abstract |
Nramp2の抗血清を作成し,生検肝組織を用いた免疫組織化学染色にて発現を検討したが,Nramp2は肝細胞膜にはほとんど発現せず,主に細胞質内に発現していた.このことから,肝細胞においてはNramp2が細胞内へ取り込まれたトランスフェリン鉄をエンドソームから細胞質へくみ出すポンプとして主に機能していることが明らかになった.次にC型慢性肝炎患者肝組織および対照として正常肝組織を使用し,鉄染色,Transferrin receptor(TfR)およびNramp2の免疫染色を施行した.C型慢性肝炎においては(1)線維化のステージが進むと鉄の蓄積が増加する,(2)TfRは正常肝細胞では発現していないが,C型慢性肝炎では発現が増加する,(3)Nramp2は線維化のステージが進むと発現が低下する傾向を認める,(4)Nramp2の発現は鉄の蓄積に依存し,鉄の蓄積が増加すると発現が低下する傾向が認められるが,TfRの発現は鉄の蓄積に依存せず,鉄の蓄積により発現が低下する傾向は認めなかった.以上よりTfRはC型慢性肝炎において発現が増加し,その発現は鉄の蓄積に依存しないことから,TfRの発現増加がC型慢性肝炎における鉄過剰蓄積に関与する可能性が示唆された.われわれは以前に肝癌細胞株HepG2に炎症性サイトカインを負荷し,TfRの発現が増加することを報告しており,C型慢性肝炎におけるTfRの発現増加は高サイトカイン血症による可能性が考えられた.
|