呼吸および気道の神経性調節:末梢気管支の収縮特性についての検討
Project/Area Number |
11770317
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Respiratory organ internal medicine
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
端山 直樹 東海大学, 医学部, 助手 (40307252)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 気管支 / 呼吸調節 / 体外循環 / イヌ |
Research Abstract |
イヌに人工心肺を用いた体外循環を導入しました。これにより、筋弛緩薬を使用して呼吸運動を停止させても、生命維持が可能でした。この状態では、呼吸による胸腔内圧の変動がなく、気管支平滑筋の収縮は胸腔内圧に影響されません。そのため、気管支の純粋な収縮活動を記録することが出来ました。 気管支の収縮活動は横隔神経活動と同期しており、その収縮は、横隔神経活動の開始から1.4±0.49秒遅れて吸気相中期に開始し、呼気相に最大値をとり、6.9±2.5秒のtime constantで漸減しました。このことは、気管支収縮が呼吸調節の中でも呼気調節に関与している可能性を示しています。 人工肺へ二酸化炭素を負荷すると、横隔神経活動の頻度、振幅が増加します。この時、気管支の収縮活動も頻度が増加し、収縮が増強しました。また、気管支収縮の強さと横隔神経活動の振幅の最大値が直線性の有意な相関を示していました。このことから、気管支の収縮活動は、横隔神経活動と同様に、呼吸中枢から収縮の頻度、強さを調節されていると考えられました。また、両側の迷走神経を切断することにより、気管支の呼吸性収縮は消失しました。このことは、気管支の収縮活動が迷走神経を介した、呼吸と同期した神経性調節を受けていることを示しています。 自発呼吸では気管支径は胸腔内圧の低下に抗して収縮します。しかし、横隔神経ペーシングによる擬似呼吸運動では、気管支径は胸腔内圧の低下とともに拡張しました。 これらのことより、気管支は呼吸中枢からの指令で呼吸に同期した収縮を行っており、その収縮は、胸腔内圧の低下に抗して末梢気道形態を維持する役割を有していると考えられます。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)