Project/Area Number |
11770484
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Dermatology
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
門野 さつき 東京女子医大, 医学部, 助手 (90287350)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2000: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | エンドセリン / 老人性色素斑 / エンドセリンBレセプター |
Research Abstract |
エンドセリンは種々のサイトカインのなかで、唯一メラノサイトの増殖とメラニン合成を同時に促進しうるサイトカインである。今回、我々はより発症頻度の高い表皮性色素異常症である老人性色素斑につき、その色素増強メカニズムにエンドセリンカスケードの活性化が関与しているかどうかを、免疫組織化学および表皮における関連タンパクのmRNAの発現をRT-PCRにより解析することにより検討した。 手背、前腕の老人性色素斑15症例について、エンドセリン-1、エンドセリンBレセプター、エンドセリン変換酵素に対するポリクローナル抗体を用いて免疫組織化学染色を施行したところ、色素斑部では周辺の健常皮膚に比べて特にエンドセリン-1、エンドセリンBレセプターの染色性に有意な差がみられた。また、この結果はこれらの各遺伝子に特異的なプライマーを用いたPCR解析にても確認できた。 このことから、老人性色素斑の色素沈着メカニズムは表皮の軽度の増殖性変化に伴うエンドセリンの産生分泌亢進と同時にメラノサイト上のエンドセリンBレセプターの発現の亢進が表皮におけるエンドセリンカスケードの全般的な活性化をひきおこし、メラノサイトの増殖とメラニン合成の増加に結び付き引き起こされる事が示唆された。紫外線が直接関与せず色素増強をきたす皮膚疾患のメラノサイトの増殖および色素増強メカニズムに、エンドセリンが関与していることが判明したので、今後は色素異常症の発症メカニズムの解明のみならず、悪性黒色腫などの色素細胞の癌性増殖化機序への応用を行いたい。
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