Project/Area Number |
11770519
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Radiation science
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
高橋 昭久 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (60275336)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2000: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | p53 / 重粒子線 / 温熱 / 癌治療 / 抗腫瘍効果 / アポトーシス / Caspase-3 / 先行指標 / RBE / LET |
Research Abstract |
我々は、難治癌に対する治療向上のため、重粒子線による修復不能のDNA損傷と温熱処理による活性タンパク質の失活というターゲットの異なる損傷を引き起こし、より効率良く癌細胞に致死をもたらすことを狙い、基礎研究をすすめている。本年度はp53の性状のみが異なるヒト舌癌細胞をヌードマウスに移植して、炭素線と温熱併用またはX線と温熱併用による抗腫瘍効果についてp53の性状との関連性を検討した。 ヒト舌癌移植系において、p53の性状に関わらず、X線2Gy、炭素線1Gyおよび温熱42℃で20分間処理では抗腫瘍効果を認めなかった。一方、正常型p53腫瘍のみX線と同様に炭素線の場合でも温熱との併用による顕著な腫瘍増殖の抑制が認められた。変異型p53移植腫瘍では放射線と温熱併用による明らかな腫瘍増殖の抑制は認められなかった。正常型p53腫瘍の相対腫瘍重量が5倍に到達するまでの日数は、X線と温熱併用により8.2日遅延した。また、炭素線と温熱併用では5.8日遅延した。正常型p53腫瘍および変異型p53腫瘍内のアポトーシス関連タンパク質のCaspase-3およびPARP断片の頻度と、アポトーシスの出現頻度を調べた。p53の性状に関わらず、X線2Gy、炭素線1Gyおよび温熱42℃で20分間処理ではCaspase-3とPARP断片化およびアポトーシスの顕著な出現を認めなかった。一方、正常型p53腫瘍のみX線と同様に炭素線の場合でも温熱との併用によって顕著なCaspase-3とPARP断片化およびアポトーシスの出現が認められた。 以上の結果からX線と同様に、炭素線と温熱併用治療においてp53遺伝子が正常型の時に、Caspase-3が活性化され、アポトーシスが起こりやすいことが明らかとなった。したがって、p53遺伝子型を検索することが炭素線と温熱併用治療の先行指標として有用であることが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)