テロメアーゼ活性測定による癌細胞の放射線感受性予測法の開発
Project/Area Number |
11770523
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Radiation science
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
沓木 章二 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00234443)
|
Project Period (FY) |
1999 – 2000
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
|
Keywords | 放射線照射 / テロメラーゼ / テロメアーゼ活性 / 放射線生物学 |
Research Abstract |
<はじめに> 放射線による癌治療に関して、照射によるがん細胞の細胞死に関するテロメラーゼの役割を検討した。以前より放射線照射による細胞の老化現象に関する議論があったが、いまだその根拠が得られておらず。テロメラーゼ活性を測定するという新たな視点から放射線による細胞死を見直せると考えた。同時に照射後のアポトーシス細胞の検出および細胞周期の変化を解析した。 <方法> 細胞は、ヒト乳癌由来MDA-MB231、ヒト膀胱癌由来T24および、ヒト類上皮癌由来KB3-1を用いた。アポトーシスはAPO2.7monockonal antibodyを用いて、flow-cytometerで測定した。テロメラーゼ活性は昨年度報告した方法以外に、TRAP-eseを用いた方法でも定量を試みた。ApoptosisはAPO2.7monoclonal antibodyを用いて、flow-cytometerで定量した。照射線量は実際に臨床で用いる可能性のある線量として0,2,5,10,15,20Gyで検討した。 <結果> いずれの細胞でもX線照射後、線量に依存してG2期細胞が増大してゆき、Apotosis細胞も線量に応じて増大するが、いずれも15Gy程度の線量で、G2細胞は70%程度、アポトーシス細胞は50-60%に達し、その後は増大しなかった。テロメラーゼ活性は培養細胞の抽出液より、明瞭なシグナルとして検出されたが照射線量との相関関係は残念ながら認められなかった。TRAP-eseを用いた測定は高感度であるため半定量的ではあるが、放射線照射によるテロメラーゼの活性の変化を捕らえることができると考えたが、今回用いた照射線量の範囲では明らかな、線量-効果関係は認められなかった。 <考察> 今回の実験では照射線量とテロメラーゼ活性に相関関係を見出せなかった。この原因は明らかではない。日常の診療では放射線治療中は腫瘍の縮小を認めなかったのにもかかわらず、数ヶ月たって著名に縮小することに驚かされることがある。このようなときにテロメラーゼが関与している可能性もあり、今後は、照射後一定時間を経てからのテロメラーゼ活性の変化を定量したいと考えている。
|
Report
(2 results)
Research Products
(1 results)