Project/Area Number |
11770537
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Psychiatric science
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
塩入 俊樹 新潟大学, 医学部, 助教授 (40235487)
|
Project Period (FY) |
1999 – 2000
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
|
Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2000: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
|
Keywords | パニック障害 / 自律神経機能 / 血圧反射 / 瞳孔対光反射 / 心拍変動パワースペクトル |
Research Abstract |
これまでにパニック障害患者の自律神経系の異常についてはさきざまな報告がなされているが、結果は一致していない。そこでパニック障害の自律神経系の調節異常を測定する新たな試みとして、視聴覚刺激前後に瞳孔対光反射と血圧反射を計測し、不安状態との関連について調べた。瞳孔対光反射については、映像負荷前後の縮瞳率の変化を、そして血圧反射については、心電図と血圧の連続測定装置を用い、それぞれのデータをフーリエ変換し自律神経系の影響が強いとされている0.1Hz前後のマイヤー波成分を中心に解析し、その位相のずれを測定した。対象はパニック障害男性患者10名と性別・年齢をマッチさせた正常被験者10名である。視聴覚刺激は18分間、内容はカーレースやマウンテンバイクなどのスポーツ体験ビデオで、ストレス負荷としてとらえることができるものである。結果としては、パニック障害患者群では正常被験者に比べ映像負荷後に瞳孔対光反射の反応がより大きくなることがわかった。また、患者群では映像負荷によって血圧反射の位相のズレが著しいこと、更に映像負荷前に行ったシーハンの自己記入式不安尺度との関係を調べると、映像負荷前後の縮瞳率の変化が大きく、血圧反射の位相のズレが著しいほど不安状態が高いという結果であった。これらのことは、(1)パニック障害患者では何らかの自律神経系の調節異常が存在すること、そして、(2)瞳孔対光反射と血圧反射が不安状態を客観的に計測できる可能性があること、を示唆している。しかしながら、今回のような研究はまだなされていなく、加えて対象人数も少ないことから更なる検討が必要と思われる。
|