Research Project
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
リンパ性白血病細胞株のJurkatに、いずれもC末端側にEGFPを付けた野生型およびdominant negativeに働く変異型ASK1を発現させるexpression vectorを導入し安定発現株を得たところ、変異型ASK1発現株の一つに抗癌剤に対して著しく抵抗性のものが得られた。ただし、EGFPを指標としflow cytometryを用いて変異型ASK1蛋白質の発現量を検討したところ他の安定発現株と比べてその量は多くはなかった。抗癌剤抵抗性Jurkatは、doxorubicin、vincristine、AraC等、作用機序の異なる種々の抗癌剤およびH_2O_2処理によってアポトーシスを起こす細胞の割合が親株の10分の1以下であった。また、抗癌剤抵抗性Jurkatは極めてアポトーシスを起こしにくいが、種々のストレスに対する細胞周期の変化はほとんど親株と同様であることが、細胞周期の分布をPI染色、アポトーシスをTUNEL法で検出する2次元のflow cytometryにより明らかとなった。従って、細胞周期停止とアポトーシスは異なる経路で制御されていて、変異型ASK1が後者の経路のみを抑制することが示唆された。低濃度の抗癌剤を60-72時間という比較的長期間作用させることによって細胞周期の停止が起こるが、アポトーシスは惹起されず、細胞は次第にネクローシスを起こした。抗癌剤抵抗株ではこの様なネクローシスも起こりにくく変化しており、アポトーシスとネクローシスが一部の経路を共有していることが予想された。
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