Project/Area Number |
11770614
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Embryonic/Neonatal medicine
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Research Institution | Kagawa Medical School |
Principal Investigator |
日下 隆 香川医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (50274288)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 新生児仮死 / 低酸素性虚血性脳症 / 遅発性脳内エネルギー代謝不全 / 新生仔豚 / ^<31>P-MRS / 脳血流 / 近赤外分光測定装置 / ICG |
Research Abstract |
目的:新生児仮死における遅発性脳内エネルギー代謝不全の病態生理を理解するため、初年度には、新生仔豚を用い遅発性脳内エネルギー代謝不全のモデルを作成し、仮死負荷時のPCr/Pi比減少率が高く、仮死後のPCr/Pi回復率が低いほど遅発性脳内エネルギー代謝不全時のPCr/Pが低値であった。このため脳エネルギー代謝状態の回復が遅延する程、重度の遅発性エネルギー不全を引き起こすことが証明された。今年度は遅発性脳内エネルギー代謝不全をもたらす新生児仮死モデルを用い、^<31>P-MRSにより脳内エネルギー代謝状態と同時に近赤外分光測定を利用して脳循環動態を検討した。 対象および方法:対象は生後24時間以内の新生仔豚5頭。人工呼吸管理を行い、仮死負荷として頚部のマンシェットを用いた圧迫(300mmHg)、FiO_2を0.1から0.6まで低下、トラゾリンを用いた負荷後の血圧上昇を防止し、Piのpeakが一定となった25分後に蘇生を行なった。脳内エネルギー代謝は^<31>P-MRS(大塚電子社製,BEM250/80,2.0Tesla)、直径3cmのsurface coilを用いて頭頂部より測定し、負荷後54時間後まで経時的に測定を行なった。ICGを用いた脳血流測定にはIMUC-7000(大塚電子社製)を使用し、頭頂側頭部上に光ファイバーを設置し、ICG0.1mg/kgを静脈内投与し、脳組織のスペクトルを0.2秒毎で測定、ICGの増加減衰曲線からfirst order kineticsのone compartment modelにて解析を行い、増加相と減少相の速度定数を算出し検討した。 結果および考案:脳血流量の指標となるICGの増加相の速度定数は、蘇生後6時間までは前値より減少し、以後30時間までは前値以上に一過性に増加した。これは蘇生後の血圧低下に依存して脳血流量が低下し、以後血圧上昇と自動調節能の破綻により脳血流量が増加したためと考えられた。また30時間以降は減少する傾向を認め、脳浮腫の進行による血流低下が考えられた。さらに蘇生後18時間での速度定数の前値比が高値であるほど、蘇生後42〜54時間でのPCr/Pi最低値が低値を示した。以上の結果より、遅発性脳内エネルギー代謝不全が進行する時期においては脳血流増加を認め、この現象が2次的脳エネルギー代謝不全を助長している可能性が示された。
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