大腸癌肝転移におけるラミニンとテネイシンの組織化学的研究
Project/Area Number |
11770683
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General surgery
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
所 忠男 近畿大学, 医学部, 助手 (30278676)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2000: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1999: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 大腸癌 / 神経浸潤 / テネイシン / Transforming Growth Factor-β1 / 細胞外マトリックス |
Research Abstract |
進行直腸癌の局所再発について、癌細胞の浸潤能が関与していることから直腸癌治癒切除標本をもちいて細胞外マトリックスであるテネイシンと癌細胞のTGFβ-1発現が局所再発の危険因子のひとつである神経浸潤とどのような関連があるかを検討した. 進行直腸癌切除標本についてテネイシンの免疫組織化学染色を行なったところ、染色性は従来報告されているように陽性例では癌間質にびまん性に認められ、癌細胞自身に染色されるものは認められなかった.TGFβ-1発現は癌細胞細胞質に微細顆粒状に認められた.神経浸潤はラミニン染色とヘマトキシリン・エオジン染色により判定した.103例中局所再発は15例(14.6%)に認められ、神経浸潤は34例(33.0%)に認められた.局所再発例の60.0%に神経浸潤が認められたのに対し、無再発例では28.4%で有意に局所再発例で神経浸潤が高率であり、神経浸潤は局所再発の危険因子であった.次にテネイシン発現をみると局所再発例では66.7%、無再発例では36.4%で有意な相関が認められ、神経浸潤については神経浸潤陽性例の70.6%に発現が認められたのに対し、神経浸潤陰性例では26.1%であり有意差が認められた.さらにTGFβ-1発現は局所再発および神経浸潤とは相関は認められなかったが、テネイシン発現との間に有意な相関が認められた. これらの結果から直腸癌の局所再発因子として神経浸潤は重要であり、テネイシン発現は神経浸潤を促進している可能性が示唆された.またTGFβ-1は細胞外マトリックスのひとつであるテネイシンに作用して神経浸潤を含めた癌細胞の局所進展に関与していると考えられた.
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)