胃癌におけるCOX-2発現の意義とCOX-2阻害剤による転移抑制に関する研究
Project/Area Number |
11770691
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Digestive surgery
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
伏田 幸夫 (伏田 幸男) 金沢大学, 医学部・附属病院, 助手 (10301194)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2000: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1999: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 胃癌 / COX-2 / NSAIDs / NSAID_s |
Research Abstract |
a)臨床検体をもちいた胃癌組織におけるCOX-2の発現 切除胃癌80例をもちい、抗COX-2モノクローナル抗体にて免疫組織学的に検討したところ、72.5%の胃癌原発巣にCOX-2の発現を認めたが非癌部の粘膜上皮にはその発現を認めなかった。ただし、COX-2発現の有無と臨床病理学的因子との相関は認めなかった。 b)COX-2阻害剤による血管新生抑制効果 受精鶏卵の漿尿膜上にCOX-2阻害剤を吸着させたディスクをのせ孵卵したのち、その血管新生抑制効果を検討した。COX-2阻害剤としてNSAIDsの1つであるIndomethacinおよび特異的阻害剤JTE-522をもちいたところ、血管新生を濃度依存性に抑制したが、本来血管新生抑制剤であるTNP-470に比べ、高濃度の条件を必要とした。 c)胃癌培養細胞株におけるCOX-2の発現とCOX-2阻害剤による増殖抑制効果 ウェスタンブロット法にてCOX-2の発現を検討し、高発現株としてMKN45、低発現株としてMKN28を同定した。これら2株をもちい、IndomethacinおよびJTE-522による増殖抑制効果を検討した。in vitroとしてMTT assay法をもちいたところ、IndomethacinおよびJTE-522は濃度依存性に増殖を抑制したが、その抑制効果は高発現株であるMKN45において顕著であった。また、in vivoとしてヌードマウスの皮下に両細胞株を移植した後、COX-2阻害剤を投与したところ、Indomethacinでは高発現株であるMKN45のみ増殖を抑制したが、JTE-522では増殖抑制効果は明らかでなかった。 以上より、胃癌においてCOX-2は高率に発現しているものの、臨床病理学的にはその働きは明らかでなかった。わずかながら血管新生に関与している可能性があるが、特異的阻害剤では増殖抑制効果は少なく、Indomethacinによる効果はCOX-2を阻害する以外のメカニズムが関与しているものと考えられた。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)