Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
噴門側胃切除後の空腸U-pouch間置再建後の術後機能評価を術後3カ月前後までの前期と1年以上経過した後期とに分けて行った。本年度は平成11年度に噴門側胃切除U-pouch再建症例(PG群)が17例に施行されており、その遠隔成績の検討を行った。 1)マーカー法による胃排泄能 2)アセトアミノフェン法による吸収能 3)超音波パルスドプラ法を用いての門脈血流動態の変化 4)24時間pHモニターおよび24時間胆汁モニタリング 5)上部消化管内視鏡 を行い機能評価した。その結果、 1)マーカー法;術後早期の胃内平均通過時間は3.4±1.9時間,後期では1.9±0.6時間で,健常群の3.0±1.5時間(mean±SD)と比較して早期より胃排泄遅延を認めなかった。 2)アセトアミノフェン法;術後早期は胃全摘群同様に早期より高値を示し、60分後にピークを認めた。胃排泄能が改善した後期では健常群同様120分後にピークとなり健常群と同様の吸収パターンを示した。 3)健常群の門脈血流速度は,負荷前(100%)から負荷後緩やかに増加し30分後に最大値(150±15%)となり,全摘群では負荷後,急激な門脈血流速度の増加をきたし,15分後に最大値(182±16%)となった。一方,噴切群では負荷5分後には(140±24%)と増加するも,以後漸増して30分後に最大値(208±19%)となり,正常群と同様な増加パターンを示した。 4)術後早期での噴切群の24時間pHモニター(holding time)では,pH<4.0(酸逆流)0.6±0.8%,pH>7.5(アルカリ逆流)20.7±19.8%と逆流を呈する症例は少なかった。胆汁モニタリングでは40.2±28.8%と軽度の胆汁逆流を呈する症例もあったが,内視鏡および症状ともに逆流症は認めず,後期においては改善を認めた。 以上のことから、本術式は術後愁訴は少なく,食事摂取量も十分で明らかな逆流性食道炎を認めず有用な術式であると考えられた。
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