Project/Area Number |
11770697
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Digestive surgery
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
宇都宮 徹 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (30304801)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 肝虚血再灌流障害 / 過酸化脂質 / ロイコトリエン / 組織脂肪酸構成 / エイコサノイド |
Research Abstract |
【検討1】セサミンの抗炎症作用は、PGE1の前駆物質(Dihomo-γ-linolenic acid:DGLA)の細胞膜リン脂質への蓄積作用による。LTB_4は好中球遊走により虚血再灌流障害に関与する。過酸化脂質であるPhosphatidylcholine hydroperoxide(PCOOH)も同様に重要なmediatorの一つである。SDラットに2種類の飼料を14日間摂食させた。C群:AIN93純化食、S群:セサミン含有AIN93純化食。肝虚血再灌流モデルは、中葉と左外側葉の部分肝を60分虚血、180分再灌流した。(1)60分虚血、180分再灌流後に採血した。LTB_4は酵素抗体法にて、PCOOHはHPLC chemiluminescence法にて測定した。(2)14日間摂食後、肝組織リン脂質の脂肪酸構成をガスクロマトグラフィーにて解析した。(1)LTB_4(pg/ml)産生はC群:110±20、S群:88±15であり、S群にて産生が抑制される傾向(P=0.07)を認めた。PCOOH(pg/ml)ではC群:220±33、S群:130±62であり、S群にて有意に(P<0.05)産生が抑制された。(2)摂食後の肝組織脂肪酸構成にてDGLA含量は、C群:0.44±0.08%、S群:0.62±0.10%であり、S群にて有意な(P<0.01)DGLAの蓄積が確認された。<まとめ>1.虚血再灌流障害の重要なmediatorであるLTB_4とPCOOHの産生がセサミン前投与にて抑制された。2.セサミン投与群にて、DGLAの肝組織中への有意な蓄積が確認された。以上、セサミン前投与は肝虚血再灌流障害の防止に有用である。 【検討2】ラットに胃管を挿入し脂肪乳剤を5日間持続投与した結果、(1)n-6系脂肪乳剤とセサミンの併用により、DGLAが肝組織細胞膜に有意に増加した。エンドトキシン刺激によるエイコサノイド産生は有意に抑制されたが、TNF-α産生は影響されなかった。(2)n-3系脂肪乳剤とセサミンの併用により、DGLA及びエイコサペンタエン酸が肝組織細胞膜に有意に増加しアラキドン酸が減少した。エイコサノイドとTNF-αの産生は共に抑制された。<まとめ>セサミンはエンドトキシン刺激によるエイコサノイド産生を有意に抑制する。さらに、n-3系脂肪乳剤との併用により、その抗炎症作用を増強することが可能であり、エンドトキシン血症治療にも有用であると考えられた。
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