実験的クモ膜下出血における急性期脳損傷とストレス蛋白発現の意義について
Project/Area Number |
11770754
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cerebral neurosurgery
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
隈部 俊宏 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (10250747)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | クモ膜下出血 / 活性酸素 / SOD / iNOS / 頭蓋内圧 / hsp70 / ストレス応答 |
Research Abstract |
マウスにおける動脈穿刺によるクモ膜下出血モデルにおいてクモ膜下出血後の遺伝子発現を検討した。特に、クモ膜下出血後の種々の病態に関与している活性酸素の役割を明らかにするため、現在当大学の動物実験施設において継代飼育中であるsuperoxide dismutase (SOD)の過剰発現したhuman SOD transgenic mouse (SODマウス)で、クモ膜下出血後のinducible nitric oxide synthase (iNOS)の遺伝子発現について検討を行った。 まずはじめに、マウスにおけるクモ膜下出血モデルの信頼性を検討した。昨年度の検討でラットに用いた動脈穿刺によるクモ膜下出血モデルをマウスに適用した。同モデルではマウスの致死率は20%前後であり、均一なクモ膜下出血が得られることから、実験モデルとして適当であることが確認された。 同モデルを用いて、クモ膜下出血後のiNOSの発現を免疫染色およびRT-PCRで検討し、通常のマウスとSODマウスで比較した。この結果、通常のマウスではクモ膜下出血1日後から大脳皮質および脳血管壁にiNOSのm-RNAおよび蛋白が強く発現し、3日後には減弱、7日後には消失するという結果が得られた。これに対し、SODマウスではクモ膜下出血1日後のiNOSの発現はm-RNA、蛋白共に抑制されていた。 SODマウスでクモ膜下出血後のiNOSの誘導が抑制されることが確認された。この結果からクモ膜下出血後に過剰産生される活性酸素はiNOSの誘導を介して様々な中枢神経損傷を惹起する可能性が示唆された。特に、SODマウスにおいてはクモ膜下出血後の脳血管攣縮が抑制されることが確認されており、クモ膜下出血後のiNOSの誘導が微小循環障害による脳虚血などに大きく影響すると考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)