Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2000: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
平成11年度に引き続き,膀胱容量の変化が呼吸.循環系に対しどのような効果を与えるか,全身麻酔下で検討した. 平成11年度に行った9名の対象と同様な方法で3症例を追加した.方法の概略は以下の通りである.アメリカ麻酔学会のPhysical Status分類1および2の予定手術患者を対象とし,前頭薬は硫酸アトロピン0.5mg,ヒドロキシジン50mg,ファモチジン20mgを入室45分前に筋注した.麻酔はベクロニウム1.5mgで前筋弛緩後,チオぺンタール5mg/kg,スキサメトニウム1.5mg/kgで導入,気管内挿管後,酸素・笑気・セボフルレンで維持,膀胱カテーテルは3-wayシリコン製のものを留置した.手術終了後,吸入セボフルレン濃度0.5%,笑気40%および酸素とし,自発呼吸下で後述の諸変量安定後,6ml/kgの37度加温生食を約5分で膀胱内に注入,5分後排出させた. その間,観血的血圧・気管内圧・気管流量・食道内圧・膀胱内圧を連続的に測定,平均血圧と脈拍数は動脈圧波形から,肺容量・呼吸数は気管流量波形から計算した.これらの計算には平成11年に作成したS言語による自家製ソフトウェアーを使用した.結果,循環系では膀胱充満により軽度の血圧上昇,虚脱により脈拍と血圧の低下が認められた(P<0.05).呼吸系には統計的に有意な変化は認めなかった.全体では,いずれの変化も軽微であり,この麻酔濃度では,膀胱容量の変化は呼吸・循環系におおきな影響を及ぼすとは結論できなかった.しかし,膀胱容量の変化によって,臨床上問題となりうる呼吸・循環系の反応をしめした例もあり,浅麻酔時には注意が必要である. 以上は,英文誌Canadian Journal of Anaesthesiaに報告した.
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