脊髄での痛みの伝達におけるグルタミン酸放出機構と脂質細胞内情報伝達との関連の研究
Project/Area Number |
11770845
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Anesthesiology/Resuscitation studies
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
篠村 徹太郎 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (60263068)
|
Project Period (FY) |
1999 – 2000
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Keywords | 疼痛 / グルタミン酸 / 脊髄 / フォスフォリパーゼ / 蛋白リン酸化酵素C / シナプトソーム / シナプトニューロソーム / 痛み |
Research Abstract |
脊髄の神経のモデルを用いて、グルタミン酸放出機構と脂質細胞内情報伝達機構との関連を痛みと関連づけて研究することが本研究の目的である。グルタミン酸放出機構の研究では、脊髄シナプスのモデルとされるシナプトソームだけでなく、シナプトニューロソームという標本が用い得ることを証明した。またその脊髄由来シナプトニューロソームにおいては、蛋白リン酸化酵素Cの活性化物質Tetradecanoyl Phorbol Acetateがグルタミン酸放出を増加させることを証明した。蛋白リン酸化酵素Aの活性化物質は無効であった。以上を論文発表した。 この研究中にシナプトソームとシナプトニューロソームでは、同じ蛋白量当たりのグルタミン酸放出量は、脊髄では大脳皮質の100分の1であることを発見した。脊髄標本ではタンパク質当たりの神経伝達物質が少なく、神経生化学的な研究が難しい。 以上の結果より、脂質細胞内情報伝達の研究は大脳皮質シナプトソームで実験を行った。大脳皮質シナプトソームでは代謝性グルタミン酸受容体(mGluR)刺激によって、フォスフォリパーゼC(PLC)が活性化されてジアシルグリセロール(DAG)が増加するというスペイングループの報告がある。その追試を試みたが、結局スペイングループの条件では決してDAGの変化は測れないことを証明した。どのような測定方法を用いてもPLC活性は上がらない。同じ条件で、フォスフォリパーゼD(PLD)の活性を測ると、PLD活性は増加していた。細胞内での重要な脂質情報伝達物質であるDAGは、mGluR刺激により増加するが、シナプトソームにおいて産生されるDAGはPLCでなく活性化されたPLD由来であることを証明した。以上を論文発表した。 大脳皮質由来のシナプトソームを用いて、疼痛関連ペプチドであるノシセプチンの作用を研究中である。論文発表を予定している。
|
Report
(2 results)
Research Products
(3 results)