Project/Area Number |
11770868
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Anesthesiology/Resuscitation studies
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
志馬 伸朗 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (00260795)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2000: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1999: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 浮腫 / 体外循環 / 侵襲 / 定量的評価 / 生体インピーダンス法 / 臓器不全 / 酸素代謝 / インピーダンス |
Research Abstract |
侵襲に伴う生体浮腫の程度は、これに対する生理的調節機構である心、腎をはじめとする各種臓器機能と、生体反応の過剰性を反映する毛細血管透過性亢進の二つの因子により影響される。心臓手術を体外循環下に施行される患者では、手術後の浮腫形成が特に問題となる。体外循環の適用は血液希釈、及び生体の急性期反応に伴う毛細血管透過性の亢進を惹起させ、いずれも浮腫を増大させる。今回、心臓手術後の小児患者を対象として、生体インピーダンス法による浮腫の定量的評価を試みた。手術前後での生体インピーダンスは約20%の低下を示し、多大なる水分貯留が生じていることが定量的に明らかになった。また、予後良好例では、この低下は速やかに回復するものの、死亡例ではその回復が遅延していることが明らかになった。術翌日以降に生体インピーダンスが術前値の80%以下の低値で推移する場合には、高い死亡率と関連していた。このように、生体インピーダンスによる全身浮腫の定量的評価は包括的な全身重症度評価に役立つと考えられる。以上の研究結果は日本麻酔学会第46回大会で報告し、米国麻酔学会2000年次大会にてさらに詳細に報告する予定である。一方、浮腫に対して持続的血液浄化法を用いて強制的除水をはかった場合、予後良好群では除水が浮腫の軽減にただちにつながるのに対して、予後不良群では浮腫が持続することが判明した。また、細胞障害性緑膿菌によるマウス肺傷害モデルでは肺の上皮細胞障害による間質浮腫形成の重症度が生命予後と直接結びつくことが明らかになった。すなわち、過剰な生体反応の結果として生じる毛細血管透過性亢進の制御こそが、重要な治療対象であることが明らかになった。血管内皮細胞障害による浮腫形成抑制に視点を置いた生体侵襲、及び生体反応の制御法についての検討が今後の課題と考えている。
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