Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
von Hippel-Lindau病である原因遺伝子であるVHL遺伝子の機能を調べるために,薬剤(muristerone)によってのみVHL遺伝子を発現できる肺癌細胞株99VHLを作成した。また,VHL病の腎細胞癌患者から樹立した腎癌細胞株UMRC-6細胞にVHL遺伝子を導入しstable cloneを作成した。これらの細胞を用いて,細胞骨格の変化について検討した。その結果,VHL蛋白の発現によって細胞形態にいくつかの変化が観察された。VHL蛋白発現細胞では,細胞形態は,spreadingなものへと変化し,細胞底面積の有意な増加が観察された。この時,細胞骨格蛋白であるactinは,強いstress fiberの形成を示し,さらにこれらと結合するfocal adhesionに存在するvinculinの集積にも影響を与えていた。細胞の接着性の検討でもVHL蛋白を発現させた細胞では,接着力の有意な上昇を認めた。この接着性の増加は,collagen,fibronectimなどの細胞外基質に対しても,同様に接着性に観察された。さらに,細胞運動についても比較検討を行った結果,VHL蛋白発現細胞では,有意に細胞運動は抑制されていた。これらの結果より,VHL蛋白は,細胞骨格の安定化することによって,細胞接着,細胞運動に影響を与え,これらを安定化していると考えられた。これらの結果は,科学雑誌に投稿中である。
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