ヒトパピローマウイルス(HPV)16型感染に対するThバランスの解析
Project/Area Number |
11770925
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Obstetrics and gynecology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松本 光司 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (30302714)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | ヒトパピローマウイルス / HPV / 子宮頚癌 / Thバランス / DNAバランス / HPV16 variant / DNAワクチン |
Research Abstract |
本研究は将来のHPVワクチンの開発を念頭に置いて、子宮頚癌から最も高率に検出されるHPV16型に対するヒトの免疫応答について解析を進めている。 平成11〜12年度に以下の成果を得た。 1.HPV DNA陰性かつ抗体陽性の健常人17例、HPV16型DNA陽性でなおかつ抗体陽性のCIN29例、子宮頚癌20例を対象に抗HPV16L1抗体サブクラス(IgG1,IgG2)を調べた。健常人女性の94%、CIN患者の48%がIgG2優位であったのに対して、頚癌患者では95%がIgG1優位であった(p<0.001)。IgG2優位の免疫応答はTh1型のサイトカイン産生を意味するので、Th1型サイトカインによって誘導される細胞性免疫がHPVの感染制御に有効で、IgG1優位の頚癌患者では適切な免疫応答が誘導されず発癌に至った可能性が示唆された。 (Biochem Biophys Res Commun29:128-131,1999に発表した。) 2.HPVの主要粒子蛋白L1を発現するプラスミドDNA(DNAワクチン)をマウスに直接接種して得られた抗体はHPV粒子の立体構造を認識し型特異的に反応すると同時に、HPV感染を防ぐ中和活性を示した。このことからHPVL1蛋白を発現するDNAワクチンはHPV感染を予防するワクチンとして有用であると考えられた。 (J.Med.Virol.60:200-204,2000に発表した。) 3.HPV16E6領域の変異(variant)を調べた。HPV16variantはCIN(26/40,65%)に対して子宮頚癌(38/43,88%)に有意に高率に検出されprototypeと比較した発癌の相対危険度は4.8倍であった(p=0.011)。CIN病変のFollow-up studyにおいもprototypet陽性のCIN病変の方が有意に消失する傾向がみられた。HPV16variantではprototypeと比較して子宮頚部発癌のリスクが高く、HPV16陽性CIN病変の進行、消失の予知に有用であると考えられた。 (Cancer Lett.156:159-165,2000に発表した。)
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)