精巣上体における精子受精能獲得抑制因子の生化学的、分子生物学的解析
Project/Area Number |
11770946
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Obstetrics and gynecology
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
野原 理 琉球大学, 医学部・附属病院, 助手 (10305211)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2000: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 精子 / 受精能獲得 / 精巣上体 / マストミス / 先体反応 / 精子運動性因子 |
Research Abstract |
受精の分子機構解明の研究は、近年急速に発展してきた体外受精や不妊症の原因究明だけではなく、世界的な人工増加問題に対する避妊ということに関連しても重要な課題の一つである。精巣上体において分泌されると考えられている精子運動性因子、受精能獲得阻止因子等は精子の受精能発現、および精子の保存に関与していると推測されているが、直接的な証拠はなく、未だ不確定である。我々は、精子運動性因子、受精能獲得阻止因子を生化学的、分子生物学的に解析することが哺乳動物受精機構の部分的な解明につながるものと考え、それらを生化学的、分子生物学的に解析し、さらに他種の因子と比較することにより、この分子および精巣上体の生殖生理学的活性を明らかにすることを本研究の目的とした。その研究には実験動物種として、精子が精巣上体液により劇的な変化を受けるマストミスという小型齧歯類を用いた。精子運動性因子の生化学的、分子生物学的解析はまず、マストミス精子を他種で報告されている様々な精子運動性因子培養し、精子の運動性の変化の観察を行った。他種で報告されている物質を様々な濃度で加えたにも関わらず、いずれの物質でも精子の運動性の保持は不可能であった。つづいてマストミス精巣上体より精巣上体液を回収し、フラクショネイションを行い、実際に精子培養液中に添加したのち精子運動性を保持させる成分の分子量の調査を行った。分子量10,000での分離では>10,000および<10,000のフラクションでもそれだけでは精子運動性の保持は困難であったが、組み合わせることによりはじめて運動性の保持が可能となった。以上の所見より、精子運動性の保持には、多数の因子が関与している可能性が考えられた。さらに熱安定性に対する解析では、その因子は熱に安定しており、他の種で報告されている精子運動性因子とは生化学的性状の異なることが考えられた。以上の所見より精子の運動性、受精能獲得を調節する因子は種特異性の高いことが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)