Project/Area Number |
11770964
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Obstetrics and gynecology
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
高野 浩邦 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (50226809)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | cytokeratin 19 / gene expression / ovarian cancer / CK19 / RT-PCR / hTERT / PIK3CA |
Research Abstract |
現在までに、癌患者の末梢血中には癌細胞が流入し、体内を循環していることが分かってきた。更に分子生物学的手法の進歩により極微量の検体から、目的の遺伝子の発現を検出することが可能となり、最近肺癌患者の末梢血から通常では検出されないサイトケラチン19の発現が検出された。この結果は末梢血を採血するだけで、肺癌の細胞で発現している遺伝子の検出が可能であったことを示しており、肺癌に限らず他の癌や他の遺伝子の発現についても同様の手法を用いることが可能と考えられる。我々は、術前の良悪性の診断や術後の再発の早期発見が難しい卵巣癌に注目しこの方法を応用することを計画した。7つの卵巣癌cell lineおよび末梢血よりguanidinium thiocyanate-phenol-chloroform法にてRNAを抽出しμMASC mRNA Isolation KitにてmRNAとし、それらをもとにcDNAを作成した。そのcDNAをテンプレートとしてnested-PCR法にてCK19の発現を検索した。結果は、検索した7つの卵巣癌cell lineすべてで陽性であった。臨床検体については健常人20人中12人(60%)、良性腫瘍患者14人中10人(71%)、悪性腫瘍患者25人中21人(84%)が陽性となった。健常人に比べて腫瘍を有する患者、特に悪性腫瘍の患者の末梢血中では高頻度にCK19が発現していた。しかし健常人、良性腫瘍患者、悪性腫瘍患者の陽性率の間に統計学的に有意な差は認められなかった。原因の一つは、正常顆粒球でも極微量不規則に発現しているCK19を検出している可能性が考えられる。感度は高いが特異性の低さが問題として残った。最近他の癌についても、この方法の特異性の低さを指摘する報告がなされており、特異性を向上させるための改良、さらには特異性の高い他のターゲットの検索が今後の課題となる。
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