サリチル酸の外有毛細胞の運動能抑制に対する作用機序の解明
Project/Area Number |
11770987
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Otorhinolaryngology
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
足立 昌彦 浜松医大, 医学部附属病院, 助手 (80273192)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 蝸牛 / 外有毛細胞 / パッチクランプ / カルシウムイオン |
Research Abstract |
哺乳動物の外有毛細胞は、基底板と網状膜を連結する重要な位置にあり、細胞膜電位の変化に伴ってその円柱形の細胞体を伸縮させる。この運動性は、少なくとも20kHzの周波数まで追随することが出来る。このことから、外有毛細胞は蝸牛のactive mechanismにおける中心的な作用体として働いていると考えられている。 この外有毛細胞についての運動メカニズムとその生物学的役割は、これまでにも非常に注目されてきた。形質膜に蓄えられた電気エネルギーを使う外有毛細胞の運動性は、形質膜に存在するモーターが作用していると考えられている。外有毛細胞の形質膜は膜を横断する電荷を蓄えているので、この電荷の移動に伴い外有毛細胞は電気的エネルギーを保持している。高周波領域で働くためには、セカンド・メッセンジャーを介しない電気的エネルギーから機械的エネルギーへの直接的な変換機構が理想である。 形質膜における運動メカニズムの特徴を明らかにするために、外有毛細胞の細胞骨格をトリプシンで融解させる実験を行った。その結果、細胞は内圧の上昇に伴って球形に変化し、細胞内圧を一定以上に加える事により表面積を制約することができる。電荷の移動と表面積変化が直接カップリングしているならば、表面積変化が制約されると膜の電荷移動量は減少するはずである。また、膜電位の変化に対応する電荷の移動は膜容量として現れるため、表面積を制約した効果は膜容量の計測によって観察されるはずである。以上のことから外有毛細胞を球形にして、膜容量と細胞の半径の電位依存に対する変化について調べた。 その結果、表面積を制約すると電荷移動が減少することより、トリプシンで細胞骨格を破壊させた細胞では、面積変化と電荷の移動がカップリングしている事が分かった。この結果は外有毛細胞の形質膜に存在するモーターを分子レベルで解明する手がかりになると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)