Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2000: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
(研究実績の概要) われわれはこれまで延髄孤束核のみならず小細胞性網様体や疑核内にも,嚥下時に一過性の活動変化を示す嚥下関連ニューロン(SRN)が存在することを明らかにしてきた.また臨床的には大脳皮質および皮質延髄路を含む高位中枢に多発性梗塞などの病変を認める症例では嚥下障害を来す例が多いことから嚥下運動において高位中枢の関与は極めて重要な因子であると考えられた.そこで無麻酔除脳ネコを用い,筋弛緩剤にて非動化し,fictive嚥下時の運動出力を嚥下関連筋よりその神経電位を導出した.fictive modelにより,実際の運動とそれによる固有知覚のフィードバックを排除し中枢性のパターン出力そのものを観察した.したがってこのmodelで同定される嚥下関連ニューロンは一次的な嚥下のパターン形成細胞である.この実験系でSRNの神経活動を細胞外記録しながら上喉頭神経ならびに舌咽神経を電気刺激した.孤束核内のSRNでもすでに約80%に両神経からの入力が収束しており,この部位が嚥下惹起において単なる中継核ではなくパターン形成に深く関与しているものと考えられた.さらに嚥下関連ニューロンにおける末梢性入力の検討に加えて,一部の動物では除脳せずに先に同定した皮質嚥下関連領野である眼窩回吻側部を電気刺激しSRNに対する入力についても検討した.その結果SRNの62%に皮質からの入力が認められた.嚥下惹起において大脳皮質は必須のものではないが,皮質-延髄投射の生理学的意義について今後さらに解明を続ける予定である.
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