Project/Area Number |
11771021
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Otorhinolaryngology
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
吉川 琢磨 日本大学, 医学部, 助手 (30307839)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 薬剤性味覚障害 / 舌有郭乳頭味蕾 / 暗調細胞 / 明調細胞 / 有郭乳頭味蕾 |
Research Abstract |
薬剤性味覚障害の動物モデルを用いてラットの舌有郭乳頭味蕾を透過型電子顕微鏡にて検討し、結果を随時学会で発表している。 今までのところ、感覚細胞が中心的に障害され、味孔部は正常に保たれ、味蕾底部での細胞新生が活発に行われていることを発表した。薬剤による味蕾の感覚細胞の直接障害による味覚障害を捕らえたことにより、味覚障害の機序の一つを解明した。 従来報告されている亜鉛欠乏性味覚障害ラットの味蕾の所見とは異なる変化を捕らえたことにより、薬剤によるキレート作用により二次的に亜鉛欠乏を来して味覚が障害されるという従来の仮説を否定した。 酸性ホスファターゼ反応での反応産物が明調細胞の細胞質全体見られることから、水解小体が活性化して明調細胞を変性、脱落させていると考えられた。 暗調細胞で大小様々な大きさの電子密度が不均一な二次水解小体様物質や様々な空砲構造が観察されたり、細胞残差様物質の取り込み像からも暗調細胞は単に味蕾の構造を支持するだけでなく、食細胞様機能も有すると考えられた。 味蕾内には、求心性神経の末梢終末部分が存在し、感覚細胞と求心性神経との間にはシナプス様構造も少数見られたが、大部分の末梢終結部分はシナプス小胞を貯留した状態で味蕾基底部に暗調細胞に包まれて存在していた。求心性神経は、シナプス構造を形成する相手側の感覚細胞が少ないため、接触すべき相手を待っている状態にあると考えられた。 暗調細胞は味蕾内でのシュワン細胞として神経繊維を包み保護しており、食細胞様機能と合わせると、暗調細胞が多様な機能を有する細胞群からなる事が確認された。 感覚細胞を含む暗調細胞の障害には、ミトコンドリアへの障害だけでなく、粗面小胞体への障害も見られ、細胞内小器官を構成する蛋白への何らかの障害が考えられた。 味覚受容細胞に主として障害が生じて、受容細胞が消失あるいはその数が減少して味覚障害に陥っているものと考えられた。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)