蝸牛螺旋神経節細胞の神経伝達におけるNMDAレセプターの役割-光学的膜電位計測法を用いて-
Project/Area Number |
11771023
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Otorhinolaryngology
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
土井 直 関西医科大学, 医学部, 講師 (60288826)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2000: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 蝸牛 / ラセン神経節細胞 / 光学的測定 / 膜電位感受性色素 / NMDAレセプター / ノックアウトマウス / イプシロンサブユニット / コルチ器 |
Research Abstract |
NMDAレセプターのε1サブユニットとε4サブユニットのジーンを欠失させたノックアウトマウスとワイルドマウスの蝸牛螺旋神経節細胞を比較検討するために、有毛細胞から蝸牛螺旋神経節細胞を含むコルチ器を取り出し、器官培養を行い実験材料とした。 有毛細胞を電気刺激し、蝸牛螺旋神経節細胞より得られた光学的シグナルを加算平均する事と、同時に多数個の蝸牛螺旋神経細胞からの光学的シグナルを取得することができるようになり、単離し培養を行った細胞よりは、光学的シグナルの信号雑音比が上昇し、蝸牛螺旋神経節細胞における薬理学的検討が可能と考えられた。 実際に、NMDAレセプターとnon-NMDAレセプターの関与を検討するために、細胞外液のカルシウム濃度による変化、細胞外液のマグネシウムによる影響、さらにNMDAレセプターとnon-NMDAレセプターに特異的なアンタゴニストであるAPV、CNQXを用いて検討を行ってきたが、器官培養を行ったコルチ器の状態により、反応が一定とならず、非常に不安定な結果であり、薬理学的な効果を判定するに至らなかった。 そこで、第8脳神経関連神経核(蝸牛神経核、前庭神経核)を含む脳幹スライス標本を用いて、螺旋神経節細胞から少し中枢の神経伝達におけるNMDAレセプターの役割を検討することとした。ワイルドマウスの第8脳神経関連神経核を含む脳幹スライスの第8脳神経断端を電気刺激することによる、各神経核での膜電位の光学的計測を行い、膜電位感受性色素を用いた膜電位変化の測定が有用であることを確認し論文報告を行った。 本年度内にNMDAレセプターのε1サブユニットとε4サブユニットのジーンを欠失させたノックアウトマウスとの比較検討を行うことができなかったので今後、ワイルドマウスとノックアウトマウスの第8脳神経関連神経核での反応の違いや、薬理学的検討を引き続き行っていく予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)