涙腺部上皮性悪性腫瘍における筋上皮由来腫瘍細胞の免疫組織学的検索
Project/Area Number |
11771080
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Ophthalmology
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
飯田 和之 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (70307403)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2000: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 涙腺腫瘍 / 多形腺腫 / 腺癌 / 免疫組織化学 / 病理学 / 筋上皮 / 筋上皮腫 / 眼窩腫瘍 / 癌窩腫瘍 |
Research Abstract |
近年,外分泌腺混合腫瘍の新しい腫瘍形態として、筋上皮由来の腫瘍細胞が優位なmyoepitheliomaという疾患単位が注目されている。さらに、従来のmalignant counterpartとしての悪性混合腫瘍・腺癌・腺様嚢胞癌に加えて、malignant myoepitheliomaの存在も報告されている。しかしながら、涙腺部上皮性悪性腫瘍は頻度が少ないため、十分に由来細胞の検討は成されていない。本研究はわれわれの教室で多数保管されている眼窩腫瘍の病理標本のうち、涙腺部上皮性腫瘍、特に悪性腫瘍の標本を用い、病理診断の再評価をするとともに、免疫組織化学的に筋上皮由来の腫瘍細胞の存在ならびにその割合を検索する。対象は過去17年間に当教室にて摘出された涙腺部上皮性悪性腫瘍5例のパラフィンブロック保存サンプルに対し検討を加える。当初、なされている病理診断は多形腺腫に合併した多形腺癌1例、癌肉腫1例、腺癌2例、腺様嚢胞癌1例である。そのうちの1例につき今回病理学的免疫組織化学的に検討した。ヘマトキシリンーエオジン染色では正常の涙腺構造がみられ、その腺葉の周囲より形態が崩れていくような部分を伴いその形態の崩れの部分より続く細胞が脱分化を示し、紡錘、類円形の肉腫様の未熟な所見をみとめた。免疫組織染色においては全上皮に陽性を示すEMAと平滑筋に特異性の高いα-SMAに腫瘍細胞が陽性であった。また電子顕微鏡所見でdesmosomeがみられたことなどより腫瘍が筋上皮細胞由来とおもわれた。腫瘍細胞の由来が腺上皮優位か筋上皮優位かをみるためductal formationを検索したが今回の場合単位観察野あたりの出現頻度は5%以下であり、このことからも筋上皮細胞由来のmalignant myoepitheliomaと考えられた。この研究結果は第33回眼科臨床病理組織研究会、及び日本眼科学会雑誌105巻1号に発表した。今後,更に他の症例の再評価をし、病理学的、免疫組織化学的に検討していく。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)