Research Project
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
平成12年度の結果から、同所性自家移植における術式は喉頭を片側の大血管に広く付着させ、異所性自家移植および同種移植における術式は頚部の大血管を含めて喉頭を採取する方法に変更した。また、自家喉頭移植手術では初回手術を咽頭側の縫合のみにとどめて、気管側は盲端とし、一旦、永久気管孔を造設した。その後、咽頭側の創治癒が完了した時点で、2期的に気管側を吻合し、気管孔を閉鎖した。この方法で1ヶ月程度の生存例が得られたが、呼吸、発声、嚥下などの喉頭機能の評価には至っていない。同様に粘膜、軟骨、筋肉などの組織学的な検討をについても同様に、現時点では評価は行ない得ていない。現時点における成果は、ミニブタにおける喉頭移植手術の周術期の呼吸管理がある程度克服され、術後評価可能な長期生存例が得られる手技および設備が確立したことである。当初、計画していたmajor histocompatibility complex(MHC)の一致した動物間および一致しない動物間での免疫抑制剤の短期間の投与による免疫寛容の導入条件の確立、拒絶反応の予測、対処法など移植技術の確立、移植片による宿主への障害(GVHD)、移植組織へのリンパ球浸潤の状態、末梢血におけるリンパ球のchimerism、同種皮膚移植に対する反応などについての検討、移植手術後1年以上の長期的な機能、肉眼的および組織学的な形態などは、今後の検討課題として残った。