Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Research Abstract |
大腸菌は酸化ストレスに対して,SoxRSレギュロン機構を働かせて対応する.SoxRセンサータンパク質が酸化ストレス状態を感知し,活性化し,SoxSアクチベータータンパク質の発現を誘導する.SoxSはさらに様々な抗酸化機構の発現を誘導し,大腸菌を耐酸化ストレス状態にする.また,酸化ストレスはヌクレオチドの酸化を促進し,変異原性ヌクレオチド8-oxo-dGTPの産生を増加させる.8-oxo-dGTP除去酵素であるMutTを欠損させた大腸菌は,通常の好気的条件においても高い変異率を示し,好気的条件で大腸菌はある程度の酸化ストレス下にあるといえる.また,大腸菌はSoxRSレギュロン誘導型の第2の8-oxo-dGTPase活性,GCHII(遺伝子名ribA)を保有している.これら耐酸化ストレス機構と8-oxo-dGTPに起因する突然変異との関係を解析した. SoxRSレギュロンの抗酸化ストレス機構とrjbAの8-oxo-dGTP分解機構を区別した解析を行うため,SoxRSレギュロンを誘導した場合に解消できる突然変異の程度を,mutTibA,mutTribB欠損株を用いて測定した.SoxSの誘導はSoxS発現ベクターを用い,変異率はストレプトマイシン,および,リファンピシン耐性化突然変異体の出現頻度を指標とした.結果は,mutTribAにおいてSoxSを誘導した場合には,突然変異の上昇がみられ,mutTribBにおいては,突然変異の減少がみられた. 以上のことから,S-oxo-dGTPase活性を欠く大腸菌において,通常の好気的条件では,SoxSの誘導は突然変異を増加させる効果があり,rjbAはSoxSによって増加する突然変異を抑制する働きがあることを明らかにした.
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