耳下腺腺房細胞におけるVAMP2を介するアミラーゼ分泌の制御機構
Project/Area Number |
11771148
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional basic dentistry
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
吉垣 純子 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (40256904)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2000: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 耳下腺 / VAMP2 / cAMP / 開口放出 / 分泌 / 唾液腺 / 分泌顆粒 |
Research Abstract |
我々は、ラット耳下腺腺房細胞において、非刺激時には分泌顆粒膜に存在する何らかのタンパク質がVAMP2に結合しており、t-SNAREとの結合を妨げていることをすでに報告している。このタンパク質は分泌顆粒膜上に存在するSNARE複合体ではなく、今までに報告されていない新しい複合体であると考えられる。本研究では、タンパク質の相互作用の解析に実績のある酵母のtwo-hybridシステムを用いて、VAMP2と結合するタンパク質の同定を試みた。その結果、ラット耳下腺のcDNAライブラリーから、VAMP2の細胞質ドメインに対して結合能を持つ2つのクローンを単離した。現在、得られたクローンについて解析を行っている。 一般に開口放出の過程は、分泌顆粒が細胞膜にドッキングするステップと、膜同士が融合して内容物が放出されるステップに分けられると考えられている。我々は、アミラーゼ分泌の制御機構に対する生化学的な解析から、アミラーゼ分泌のドッキングステップはcAMPにより促進され、膜融合のステップは細胞内カルシウム濃度により調節されているとの着想を得た。そこで、そのような仮説に基づいた数理解析を試みた。その結果、アミラーゼ分泌の速度変化は、反応速度論における2段階の逐次反応でよく説明できることが明らかになった。その解析の中で、ドッキングが完了している分泌顆粒は全体の1%程度であり、ほとんどの分泌顆粒はドッキング前の段階で待機していることが推測された。このことが、耳下腺におけるアミラーゼ分泌が主にcAMP刺激によって引き起こされる理由であると考えられる。このような数理解析により、分泌制御に関わる分子の性質の予測が可能になると期待される。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)