Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
本研究では,Porphyromonas gingivalis(P.g)のもつ鉄獲得システムの発現調節機構を解明する目的で,まず,Escherichia coliのFerric uptake regulator protein(Fur)をコードする遺伝子(fur)と相同性の高い遺伝子配列がP.gゲノム上に存在するかどうかをサザンハイブリダイゼーション法を用いて調べた.その結果,E.coliのfurと弱く反応するバンドが1カ所のみ検出された.そこで,反応バンドの切り出し精製によってミニライブラリを作成し,Bacillus subtilisを宿主細菌として用いたコロニーハイブリダイゼーション法により,ミニライブラリ中のP.g遺伝子断片のスクリーニングをおこなった.ハイブリダイゼーションの反応性の弱さからE.coliのfurとP.gのfur様遺伝子はかなり相同性が低いことが予測され,クローニングは技術的困難を伴い成功しなかった.また,現在P.gの全ゲノム塩基配列の解読が進められているが,現時点で解読が終了し公表されている塩基配列中において,E.coliのfurとの相同性検索で検出される配列は認められなかった.我々はこれまでにP.gが産生するリジン特異的システインプロテアーゼ(KGP)がヘモグロビン結合能を有し,P.gの鉄獲得機構において重要な役割を果たしていることを明らかにしてきた.そこで同分子に対するDNAワクチンを作製し,P.g感染に対する防御効果をマウスを用いて評価したところ,明確な感染防御効果が認められた.このことから,KGPがP.gの病原性発揮という側面においても重要な役割を果たしていることが明らかとなった.
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