Research Project
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
難治性根管治療において、細菌検査は不可欠であるが、根管内細菌は微量で検出が困難な場合が多く検査法の確率が望まれていた。そのため、感染根管の滲出液からの細菌同定法として、半流動培地を応用した増菌法を試み、微量細菌の検出感度をあげることに一応の成果を得ている。しかし、培養法では薬剤耐性傾向が把握でき治療方針に役立つという利点がある反面、菌種同定までに約2週間を必要とする。そこで、PCR法を応用して、細菌種の検出ならびに、薬剤耐性傾向を知る方法の開発を試みた。PCR法での試料処理をできる限り簡便にするため、根管内滲出液にアルカリ変性法を用いて16SrDNAの検出を行った。その結果、5症例全症例において、1.4kbpの単一バンドの増幅が見られたことから、細菌検出能は高く、簡便で有効な方法であると確認できた。一方、これまでの培養法で分離された菌種のうち、最も多く検出されたα-Streptococus(7株)について、16SrDNAを増幅し制限酵素で断片化し、5'側500bpの配列をシークエンサーで解析したのち、比較検討したところ、80%以上の相同性を有し、ほぼ同一菌種であることが判明したが薬剤耐性との関連性は認められなかった。このことから、より長い塩基配列での比較が必要であると考えられた。今後は、これまでの培養法で得られた菌株について、16SrDNAの全配列を明らかにする、とともに、塩基配列と薬害耐性傾向との関連性について比較検討する予定である。
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