Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
発生時,歯乳頭間葉細胞は,内エナメル上皮細胞の誘導によって,象牙芽細胞に分化し,象牙質を形成する。この上皮・間葉の相互作用が象牙質の再生に応用できると考え,ウサギ切歯歯髄から分離した上皮細胞(PE)と線維芽細胞様細胞(PF)の共培養を行った。その結果,PEがPFのアルカリホスファターゼ(ALPase)活性を上昇させ,PEがPFの分化促進に関わることを明らかにした(11年度)。内エナメル上皮細胞は,象牙芽細胞の分化を誘導した後,エナメル芽細胞に分化し,エナメル蛋白を分泌する。また,ケラチン19は,エナメル芽細胞の分化のマーカーと考えられている。そこで,本年度は,PEの性状を明らかにするため,PEのエナメル蛋白およびケラチン発現を検討し,以下の結果を得た。 (1)PEはケラチン5と8を発現したが,PEのケラチン19は検出できなかった。(2)ALPaseのmRNA発現量は,PEあるいはPFの単独培養では少なかったが,PE・PFの共培養系では,発現量は増加した。(3)アメロゲニンのmRNAはPEあるいはPFの単独培養およびPE・PFの共培養系いずれにおいても検出できなかった。(4)PEのタフテリンmRNA発現量はPFと比べて著しく多かった。また,タフテリンのmRNA発現は共培養の影響を受けなかった。 本研究の結果から,ウサギ切歯歯髄から分離したPEは内エナメル上皮細胞様の性質を有している可能性が示唆された。本細胞培養系は,エナメル芽細胞および象牙芽細胞の分化機構の解明のための有用なモデルになりうると考えられた。
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