プラークコントロールが象牙質知覚過敏症の病態に及ぼす影響
Project/Area Number |
11771183
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Conservative dentistry
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
川崎 有希子 徳島大学, 歯学部, 助手 (60294708)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 象牙質知覚過敏症 / 象牙細管 / プラークコントロール / リン酸カルシウム / ビーグル犬 / 透過型電子顕微鏡 / X線マイクロアナライザー / 走査型電子顕微鏡 |
Research Abstract |
プラークコントロールの状態が象牙質知覚過敏症の病態へ与える影響をビーグル犬を用いてin vivoにて評価した。全身麻酔下にてビーグル犬の大臼歯頬側にV級窩洞を形成し、その後、酸処理を行うことにより、開口象牙細管を有する知覚過敏歯を人工的に調製した。この後、毎食後ブラッシングによるプラークコントロールを行うプラークコントロール群とブラッシングを行わないノンプラークコントロール群とに分類し比較検討した。処理直後および所定の期間後に、中空円筒状ダイヤモンドポイントを用いて象牙質生検を行い、象牙質片を採取した。象牙質生検試料を透過型電子顕微鏡で観察した結果、ノンプラークコントロール群では象牙細管内にプラーク細菌の侵入が観察され、象牙細管は開口傾向を示していた。一方、プラークコントロール群では一部の象牙細管内に結晶性物質が観察され、象牙細管を封鎖している像が観察された。続いて、この象牙細管内結晶性物質をX線マイクロアナライザーで組成分析した結果、カルシウムとリンが検出され、カルシウムとリンのモル比は1.4であることから、アパタイト様結晶であることが明らかとなった。以上の結果より、プラークコントロール状態がよければ、象牙細管はリン酸カルシウム結晶により封鎖され、自然治癒する可能性があることがわかった。対照的に、プラークコントロールが不完全な場合には象牙質はプラークにより脱灰され、象牙細管は開口傾向を示した。したがって、プラークコントロールの状態は象牙質知覚過敏症の病態へ与える影響は多大であり、適切なプラークコントロールを行うことが自然治癒に必要であることが明らかとなった。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)