Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2000: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
本研究では,高齢者における感染症予防のためのデンチャープラークコントロールの重要性を裏付けるデータ収集を目的とし,高齢者のデンチャープラーク,咽頭の微生物叢を薬剤耐性菌に着目して調査し,さらにそれらと唾液中の抗体価およびヒスタチン量を計測した.被験者は本学歯学部付属病院補綴科外来患者および徳島県内の老人病院入院患者とした.被験者の上顎義歯粘膜面および咽頭からプラークを採取し,総細菌,口腔連鎖球菌,ブドウ球菌,カンジダ,緑膿菌,MRSA,VREの菌数および検出率を計測した.検出されたカンジダについでは薬剤感受性試験を行った.同時に唾液を採取し,ELISA法を用いブドウ球菌,カンジダに対する抗体価とヒスタチン量を計測した.その結果,デンチャープラークの微生物数が多いと咽頭での微生物数が多い傾向にあり,ブドウ球菌,カンジダがデンチャープラークから検出されると咽頭からも検出される傾向にあった.カンジダについてはCandida albicans,C.glabrata,C.tropicalisなどが分離され,C.albicans抗真菌剤に対して高感受性の株が多かったが,C.glabrata,C.tropicalisはフルコナゾールに対して低感受性を示す株が多かった.また,MRSA,VREも分離された.唾液中のブドウ球菌,カンジダに対する抗体価は高い傾向にあり,ヒスタチン量は従来の報告に比較して少ない傾向にあった. 高齢者のデンチャープラーク,咽頭の微生物叢が上述したような状況にあることは感染症予防という点からからは問題であるが,デンチャープラークの微生物数が多いと咽頭の微生物数が多い傾向にあることから,徹底したデンチャープラークコントロールを行うことで咽頭の微生物数をコントロールし,感染症予防につながるのではないかと考えられた.
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