Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
本研究はこれまでほとんど明らかにされていないヒトにおける口腔顔面領域の疼痛と自律神経機能との関連を検討したものである.これまで本研究費の補助により行った研究の概要は,以下の通りである.1)交感神経の緊張が顔面皮膚血流および蝸牛神経機能に及ぼす影響(1999)を検討し,交感神経の緊張により顔面皮膚では血流変化は認められないものの,蝸牛神経機能に影響を及ぼすことを明らかにした.2)自律神経症状を含む多彩な身体症状を訴えた茎状突起過長症の1症例の自律神経症状の検討を行い(1999),治療により自律神経症状や耳鳴の改善を報告した.3)口腔顔面痛に関わる中枢神経系の可塑性と持続性疼痛の要約を行い,これまでに基礎医学で明らかにされた自律神経反射に関連すると考えられる解剖学的領域を示した(2000).4)体性自律神経反射として知られている交感神経皮膚血管反応を顔面に応用し,手と顔面における反射様相が異なることを示した(2000).5)さらに手指の冷刺激により誘発される交感神経の緊張が耳鳴や頭痛などに関わる頭蓋内の血管の血流変化を引き起こす可能性を示した(2001).6)顔面血流画像化装置は九州工業大学の協力を得てプロトタイプが完成し,レーザードップラー血流計ならびにサーモグラフィーとの比較検討を行っており,これまで局所的血流変化や温度変化から推定していた組織血流の変化を非侵襲で直接測定できる可能性が示唆されている(未発表). これまでの知見は,頭蓋内を含む口腔顔面領域の体性自律神経反射を指標とすれば,自律神経機能とくに交感神経が関わるとされる口腔顔面痛のメカニズムの解明と診断,評価法の確立への大きな足ががりとなった.本研究補助金交付を受け,関係諸機関に対し深謝する.
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